ラウンドを多く経験していくと、必ず到達する悩みがあります。
それは、「飛距離と正確性」です。
これを両立できるスイングがないかと試行錯誤してきましたが、近いところまでは行っても正解にはたどり着きませんでした。
理由は、飛距離と正確性は根本的には相反する要求だからです。
身も蓋もないね
ただそれは、「1つのスイングでは」ということも意味します。
必要とする要求に合わせたスイングを使い分ければ、管理人の目指すラウンドに近付きます。
2022年12月現在、管理人がたどり着いた数種のスイングと使い分けをお伝えします。
真冬の寒い雨の中、スイングの使い分けで安定したラウンドができました!
- ラウンド中のシチュエーションに合わせたスイングができない
- そもそも1種類しかスイングがない
- どんな時でもマンぶりしかしない
- セカンドOBなど、致命的なミスをしてしまう
各スイングについて
各スイングの解説から入るべきですが、説明の都合上まず分類をしていきたいと思います。
1.飛ばしと正確性の相反関係
スイングを構成する各要素を比べてみると、「飛ばしと正確性」はある程度相反するものであることが分かります。
- 一軸
- 極力右足側への体重移動はしない
- スイングの再現性が上がり、正確性が増す
- 二軸
- テークバックでしっかり右足側に乗る
- タメや体重移動を多く使えるので、飛距離が伸びる
イチロー選手の振り子打法のように、右足一本で立った状態から左足を踏み込みボールを打つ遊びをすることがあります。
驚くほどボールは飛びますが、一方まともに当たらず初速は速くても飛ばないことが多いです。
- 使う
- 沈み込み、切り返しで地面をしっかり踏む
- 左膝を伸ばし下半身の力を伝え飛距離が伸びる
- 使わない
- 沈み込みは抑え、身体の上下動を少なくする
- ヘッド位置が同じ場所に戻るので正確性が増す
地面反力は積極的に使うべき、大いなるパワーです。
ただ体幹を含めしっかりとした筋力がないと、身体の上下動が少なからず出てしまうので地面にボールがある時などは大トップにつながることもあります。
- 大きく
- ヘッドが長い距離を移動する
- ヘッドスピードが上がり飛距離が伸びる
- 小さく
- トップフォローともに小さくなる
- ヘッド位置が同じ場所に戻りやすく再現性が増す
ドラコン選手のようなオーバースイングは当然飛距離に有利ですが、私がやったら確実に空振りします。
かといって小さなトップでは、飛距離は伸びません。
プロのような強力なフィジカルがあればコンパクトトップでも飛ばせますが、アマチュアには難しいです。
もうひとつ、「フリップ」と呼ばれるビンタのような手首の横の動きも飛距離に寄与しますが、あまりにも正確性にマイナスなので取り入れません。
フリップとヒンジングは似た動きですが、フリップはインパクト前に右手首が手のひら側に折れ、クラブフェースが空を向く(ロフト角が増える)動きが特徴です。
- 使う
- 切り返しでコックを加える動きをする
- ヘッドスピードが上がり飛距離が伸びる
- 使わない
- グリップエンドが地面を指すまでの動きに制限
- フェース管理が容易になり再現性が増す
「追いコック」とは管理人の造語ですが、通常のものに加えて切り返し付近でさらに加える「追い鰹」のようなコックです。
管理人はもともと「カーリング」と呼ばれるヒンジングとコッキングを組み合わせたインパクトの手首形状を練習しています。
これでハンドファーストになったもんね
この形状に、切り返し付近でコックのみ加えるという表現が一番近いです。
グリップや手首がカチコチだと、この動きはできません
最初は手首をグニャグニャにするつもりで練習しましょう
2.各スイングの分類
意味不明な用語ばかりですが、まず見てみてください。
要素 | チャーシュメン | チャーメン | チャーシュライン | チャーライン |
---|---|---|---|---|
体重移動 一軸 | ◯ | ◯ | ||
二軸 | ◯ | ◯ | ||
地面反力 使う | ◯ | △ | ||
使わない | △ | △ | ||
スイングアーク 大 | ◯ | |||
小 | △ | △ | ◯ | |
追いコック 使う | ◯ | |||
使わない | ◯ | ◯ | ◯ | |
飛距離 | ||||
正確性 |
4つのスイングは、大きな2つのスインググループとそのライン出しバージョンとなります。
最初に2つのスインググループを見ていきます。
3.2つのスインググループ
2つのスインググループの大きな違いは、この大げさな動画で分かります。
Aグループ:チャーメンスイング
管理人がメインスイングとしている左一軸の「インフィニティスイング」をシンプルにし、タイミングを名前として表してみました。
昔から言われている「チャー・シュー・メーン」のタイミングではなく、「チャー・メン!」です。
テンポが1つ少ないんだな
細かい内容は関連記事を見ていただき、修正点のみご紹介します。
- バックスイングのヘッドの右ループはやめ、シャットに上げるのみ
- 下半身は左足の踏み込み(右グリップとの引っ張り合い)のみ、意識
飛びの要素は入れない代わりに、正確性の要素は全て入っています。(地面反力は自然と一部入ります)
上下動も抑えられるため、地面から直接打つアイアンやユーティリティにも向いたスイングになります。
反面、体重移動が少なくコッキングも少ないので飛距離は出づらいです。
バックスイングはゆっくりしっかりヘッドを後ろに大きく押し、しっかり捻転しましょう
Bグループ:チャーシュメンスイング
こちらも昔から言われている「チャー・シュー・メーン」のタイミングではなく、「チャー・シュ・メン!」です。
こちらはチャーメンスイングのタイミングを、アレンジしたスイングになります。
上の表を見ればお分かり頂けるように、飛びの要素を全て取り入れており飛距離アップに特化したスイングです。
その反面、上下動もありティーアップしていないボールを打つのは相当量の練習が必要です。
- 「チャー」と「メン」の間に、身体を沈み込ませるタイミングを「シュ」としてはさみます
- 「シュ」のタイミングで、グリップエンドが飛球方向後方を向く動き(チャーメンスイングではグリップエンドは地面方向を指している)を入れる
「シュー」じゃなく、「シュ」なんだな
この「シュ」のタイミングで、グリップエンドが飛球方向後方を向く動きの習得がなかなか難しいです。
右手だけなら難しくないのですが両手が合わさると難しいのと、シャットなフェース管理をしたまま行うのが難しいです。
シャットなフェース管理には、掌屈が必須です。
手首の固い管理人はなかなか習得できず、下の練習器具のハンガーが左腕前腕にくっ付くように練習しました。
もしどうしてもできない方は、参考になればと思います。
シャローイング習得のため、管理人も使っている練習器具です
正しい使い方か分かりませんが、管理人はシャットにフェースを上げていくイメージを持つために使っています。
ハンガーの部分を、左前腕の内側に押し付けていく意識でやっています。
GGスイングだけでなく、役立つ動きだと思うのでお試しあれ!
4.ライン出しの要素を加えた派生スイング2つ
再度一覧表を載せます。
要素 | チャーシュメン | チャーメン | チャーシュライン | チャーライン |
---|---|---|---|---|
体重移動 一軸 | ◯ | ◯ | ||
二軸 | ◯ | ◯ | ||
地面反力 使う | ◯ | △ | ||
使わない | △ | △ | ||
スイングアーク 大 | ◯ | |||
小 | △ | △ | ◯ | |
追いコック 使う | ◯ | |||
使わない | ◯ | ◯ | ◯ | |
飛距離 | ||||
正確性 |
チャーシュメン【ライン出しVer.】は、チャーシュメンスイングから飛距離の要素を一部正確性の要素に変えています。
一方、チャーメン【ライン出しVer.】は、正確性重視のチャーメンスイングから更にスイングアークを小さくし正確性を増したスイングです。
それぞれ見ていきます。
A改:チャーシュメンスイング【ライン出しVer.】
チャーシュメンスイングで飛距離を最大化するための要素を抜き、正確性とのバランスを求めたスイングです。
- 追いコックは使わず、シャットなフェース管理を行う
- トップもフィニッシュもコンパクトにする
- 沈み込みも抑えめにして、二軸のゆったりしたスイングをイメージする
- 「シュ」もそこまで鋭くなく、長めでも良い
お借りした動画ですが、トップやフィニッシュの位置はこんなイメージです。
ライン出しは本当に重要!
B改:チャーメンスイング【ライン出しVer.】
チャーメンスイングから更に正確性を増したスイングです。
- スイングテンポはゆっくり
- フィニッシュを頭の横にグリップが収まるように、低く抑える
こちらはほぼ、チャーメンスイングから変更はありません。
番手間の距離調整などで利用する感じになると思います。
つまり、Bグループのメインスイングは、チャーメンスイング【ライン出しVer.】となります。
実際の使い分け
本来はすべてのクラブで、4つのスイングを利用するべきかもしれません。
管理人にはそんな技術もコース戦略もないので、簡単に分けています。
習得すべき優先順位の高い順に並べていきます
1.チャーメンスイング【ライン出しVer.】
初級者から中級者を目指す管理人のレベルでは、間違いなくチャーメンライン出しVer.が最優先です。
理由は、使う頻度の圧倒的な多さです。
- ショートホール
- ミドルのセカンド
- レイアップ
- バンカーやクリーク手前までの刻み
- ドッグレッグホールの刻み
- あらゆる距離のグリーンを狙うショット、アプローチ
- 左足下がりなどの難しいライや、トラブルからの脱出
状況によっては、ドライバーでの使用も考えられます。
飛距離の不足は、持つ番手を上げれば済みます。
ラウンドで必要なのは、何より正確性です。
まずこのスイングをマスターしましょう!
2.チャーシュメンスイング【ライン出しVer.】
ドライバーなどで出したい飛距離をある程度出すことができる上に、正確性も備えるスイングです。
「追いコック」を無くすだけでスイングアークを大きくしても良いですし、2軸を残す以外はすべてコンパクトにする(正確性に変更する)などアレンジは自由にできます。
飛距離を最大化する前に、ある程度ボールをコースの中に収められることが肝要です。
飛距離重視の本来のチャーシュメンスイングの前に、こちらを!
3.チャーメンスイング
習得は、ほぼライン出しVer.と変わりません。
スイングアークを大きくすれば、ある程度の飛距離も望めますので本家チャーシュメンスイングよりはこちらをしっかり習得しましょう。
左右の狭いティーショット時にも、重宝します。
4.チャーシュメンスイング
最大飛距離を狙うスイングですので、ドライバー使用がメインになります。
ティーアップしていない状態や小さなフェース面積のクラブでは、ミスが多くなるので慎重に。
管理人の場合飛距離が必要とされる状況でフェアウェイが広く、右サイドへのミスが許されるティーショットでのみ採用です。
ヘッドの移動距離が最大になるため、振り遅れが生じやすいです
ドローを打つつもりで、使用しましょう!
管理人くんは、フックグリップで打ってるよね!
- カーリングなど掌屈を崩さない
- 伸び上がりを抑え、ヒップターンをしっかり
- 左脇はしっかり締める
- テークバックでヘッドは飛球方向後方にゆっくり重いものを押すイメージでしっかり押す
- フェース管理をシャットに行い続ける
まとめ
今回は管理人が使い分けている4つのスイングについて、ご紹介しました。
使い分けているといっても、現在はほぼ「チャーメンスイング【ライン出しVer.】」と「チャーメンスイング」です。
結果OBも減りスコアは良くなりましたが、最大飛距離は失われました。(泣)
ずっとOBで、ラウンドにならなかったもんね
これから練習を続け、最大飛距離を追える「チャーシュメン系スイング」も本番で使えるレベルにしていきたいです。
さらに今回の記事では触れませんでしたが、以前に紹介したボールの高低に加え、フェード系とドロー系の球筋を意識したラウンドを考えています。
できないからやらない、ではなく
やらないからいつまでもできないと思い直しました!
- できなくても、出したい球筋をイメージしてラウンドする
- ボールの左右、高低も含めた球筋をイメージできるようにする
- リスク管理を意識し、攻めと守りのシチュエーションを分ける
- ピンの手前から攻めることを常に意識する
練習でも、どれかのスイングを練習するのではなく、まんべんなく頭にシチュエーションを想像して打つようにしたいと思います。
スイングごとに出る球筋に注目して練習できます