以前、4番アイアンについてユーティリティやフェアウェイウッドとの比較で記事にしました。
今回はさらに絶滅危惧種感が増す「3番アイアン」について、熱く語りたいと思います。
私の中では一番大好きな「2段ロケットのような弾道」で飛ぶ、ロングアイアン。
セッティングに3番アイアンを入れていると、驚かれることも多いです。
決して見栄や酔狂で入れるわけではない、3番アイアンの魅力をご紹介します!
ロングアイアンとは?
ユーティリティが幅を利かす前は、5番ウッドの下は3番アイアンなんてセッティングは、当たり前だったそうです。
それどころか、0番、1番、2番といったドライビングアイアンと呼ばれるロングアイアンもあり、プロでもアゲインストを切り裂くティーショットで利用されていたそうです。
200ydを超え250yd飛ばすアイアンです。
今はアイアン型ユーティリティとして考えられていますが、マッスルバックのドライビングアイアンもあります。
私は打ったことはありませんが、ウッド系よりミスは少ないと想像できます。
ただヘッドスピードが要求されることは間違いありません。
1.定義
どこからがロングアイアンかというのは議論があると思いますが、私が思うロングアイアンは4番から上の番手です。
5番をロングアイアンと言えなくはないと思いますが、私はミドルアイアンだと思っています。
ただ最近はロフト角が立っているアイアンが多いので、実質的には5番アイアンが4番アイアンに近いです。
お持ちのアイアンによっては5番からロングアイアンと考えて良いと思います。
2.ロングアイアンの特徴
皆さんはどんなものを思い浮かべるでしょうか。
管理人が思う特徴は、こんな感じです。
- ロフトが立っていて球が上がらない
- シャフトが長くて、打ちづらい
- 当たれば飛ぶが、変なところに当たると右ペラ(ペチーンと音がし右に飛ぶ)する
- ダフる
やはり難しいという印象があるなぁ
①:ロフト、長さ
具体的に、管理人が持っている「テーラーメイド P750 TOUR PROTO」のスペックを見てみます。
P750 | 3番 | 4番 | 5番 |
---|---|---|---|
ロフト角 | 20 | 23 | 26 |
ライ角 | 60.5 | 61 | 61.5 |
長さ(インチ) | 38.5 | 38 | 37.5 |
現在私が使っているセッティングのウッド系と比べてみます。
Carlvinson CV-8 | 3番W | 5番W | 4番U |
---|---|---|---|
ロフト角 | 15 | 18 | 21 |
ライ角 | 58.5 | 59.5 | 60 |
長さ(インチ) | 43 | 42.5 | 40 |
ユーティリティと同じくらいの長さだと思っていましたが、アイアンの方が短いのが分かります。
数値だけ見ていると、ウッド系の方が飛びそうですが私の場合3番アイアンの方が4番ユーティリティより明らかに飛びます。
②:ソール
ロングアイアンが淘汰された理由が、これだと私は思っています。
ソール幅が狭いために、視覚的に滑らずダフる気がします。
ただ実際に打ってみるとそこまですべらない訳ではありません。
ロングアイアンを使うメリット
ロングアイアンが淘汰されていった理由は、ずばりデメリットをユーティリティがカバーしたからでしょう。
なので、ここでは管理人があえてロングアイアンを使うメリットを述べてみたいと思います!
①:左への引っ掛けがない
もちろん全くないとは言えませんが、ユーティリティに比べ引っ掛けは本当に少ないです。
私はユーティリティが嫌いな訳ではないのですが、今まで何度もセカンドの引っ掛けでOBを出しています。
片方ミスが消せるというのは、想像以上に大きなメリットです。
220ydほど飛ぶので、ティーショットの強い味方になります
②:思ったよりボールが上がる
ユーティリティよりボールが上がらないので、グリーンで止まらないと言われているのがロングアイアンのデメリットです。
ただ実際に打ってみるとそこまでボールが上がらない訳ではありませんし、バックスピン量はユーティリティより多いので差は感じませんでした。
ただこれには、ヘッドやシャフト選択が大きく関係します。
あとで解説します。
③:アイアンの流れで打てる
当たり前ですが、アイアンなので7番アイアンなどの流れから打つことできます。
ここは得手不得手に関係しますが、管理人の場合アイアンの方が構えた時に安心感があります。
ドライバー下手くそだもんね
ウッドからの「上からの流れ」と、アイアンからの「下からの流れ」。
その間となるのが、ユーティリティです。
ウッドが得意な方は、ウッド型ユーティリティが得意だと思いますので無理にロングアイアンを入れる必要はありません。
長い距離を打つときに、ウッドの仲間だと思っている「ウッド型ユーティリティ」よりロングアイアンの方が安心できるのです。
一般的に言われるデメリットとは違いますが、管理人はこう思います。
- 14本のうち、通常入れる何かを抜かなければならなくなる
- 管理人は3,4番アイアンを入れる場合は、3番ウッドを抜いています
打てるロングアイアンの作り方
ここまでロングアイアンを推してきましたが、無条件にロングアイアンが良いとは言えないのも確かです。
まずはこちらの動画を見てください。
これは三浦技研のTC‐101の3番アイアンに、ダイナミックゴールドX100の入ったクラブを振った様子です。
全く打ててないね
思いっきり力んでもダメでした
今までさんざん我流でセッティングをしてきた経験で、自信をもって言えます。
ロングアイアンは、ハードスペック絶対ダメ!
管理人がしている工夫をご紹介します。
1.ヘッドはキャビティ
私はマッスルバックを今使用していますが、3、4番アイアンはキャビティアイアンを使用しています。
3、4番もマッスルバックだと、渋さが増しカッコイイと思います。
ただ絶対にミスを連発するでしょう。また、そう思ってしまうだけでもうダメです。
ロングアイアンは難しくないと信じて打つことが、一番大事だからです!
キャビティやハーフキャビティアイアンは、マッスルバックと比べれば寛容性が高くボールが上がりやすいです。
距離を出しに行くために使うクラブですから、ミスヒット時もヘッド性能に助けて貰いましょう。
「ロングアイアンは、絶対にキャビティアイアン」、忘れないでください。
2.シャフトは1フレックス以上柔らかく
マッスルバックのヘッドは、ほぼ存在しないので先ほどの注意点はそこまで大事ではありません。
一方、こちらは超大事です!
ロングアイアンをこのご時世に使おうと思う御仁は、ある程度のヘッドスピードはお持ちだと思います。
だからこそ、危険なんです!
先ほど振れなかった同じヘッドですが、リシャフトしました。
余裕でボールが上がるといった感じではありませんが、X100よりはかなり楽に振れます。
そうです。とにかく、シャフトをハードにしてはいけません。
今管理人が組んでいる、ロングアイアンを含んだセッティングを見てみましょう。
セッティング① | 3番 | 4番 | 5番以下 |
---|---|---|---|
ヘッド | P750 | 同左 | 同左 |
シャフト | MODUS3 TOUR125 | RIFLE PROJECT X | 同左 |
フレックス | X | 6.0 | 6.5 |
シャフト重量 | 129.5g | 121g | 125g |
数値では分かりづらいですが、振った感じは3番が一番柔らかく感じます。
今回調整したセッティングです
セッティング② | 3番 | 4番 | 5番以下 |
---|---|---|---|
ヘッド | TC‐101 | 同左 | HIMEJI x TSUBAME |
シャフト | スチールファイバー i 110CW | 同左 | KBS TOUR |
フレックス | S | X | X |
シャフト重量 | 110g | 110g | 130g |
こちらは明らかに重量から違うので、楽に振れます。
ミドルアイアン以下と同じように、ハードなスペックのシャフトにしてはいけません。
固いシャフトでは、ロングアイアンの悪い点がすべて出てきます!
今回は3番アイアンのリシャフトとグリップ挿入、4番アイアンのグリップ交換をしてもらいました。
上の金額は工賃なので、他にシャフト代(4,000円~)とグリップ代(1,000円~)がかかります。
※持ち込みでなければ、グリップ交換の工賃はかかりませんでした
普通のスチールシャフトであれば、1万円かからずリシャフト可能です
スチールファイバーは、本当に打ちやすいのでオススメ!
ロングアイアンにスチールは厳しいという方に、ぜひ。
3.【おまけ】ロングアイアンの打ち方
管理人ごときがロングアイアンの打ち方を紹介するなんて、とお思いでしょう。
ただ私結構、上手に打てるようになりました。
ポイントは3つです。
- ボディーターンで振ること(手打ちでは飛びません)
- クラブの重量で振る(重力で振りましょう、「回って上げて→下して回る」力は要りません)
- 打ち込むのでなく、レベルで振る
「ロングアイアンだ、気合い入れて振らないと!」と思っていると、打てないのがロングアイアンです。
気軽にクラブの重さで飛ばすつもりで振ると、打てますし球も上がりますよ!
まとめ
今回は、「ロングアイアン」について書いてみました。
ゴルフを始めた頃は絶対に打てないクラブだと思っていましたが、お尻で振るようになってから案外打てることが分かりました。
特に管理人のように、フェアウェイウッドやユーティリティに苦手意識がある方には試してみて欲しいです。
また隠れた使い方ですが、コースで使わなくても練習でロングアイアンを使うことでその下のクラブ(例えば5番アイアン)が楽に振れるようになる効果もあります。
マッスルバックを紹介した時と同じように、「打ってみたら(意外に)打てた」というのがロングアイアンだと思います。
ぜひ、一度手に取ってみてください。
皆さんもご自分のしたいラウンドに合わせ、渋いセッティングしてみませんか?
笹生プロ仕様のツアーキャビティ!